時よ流れて
フィルムで撮り始めた当時は現像を店に頼んでいた。
自宅から歩いて数十メートルのところにその店はあったんだけど
モノクロフィルムの現像なんて外注に出さなければいけないらしく
面倒で仕方ないといった風情で、毎度とても嫌な顔をされた。
私も当時は何もわからずに「プリントもお願いできるんですか」
と尋ねてみたら
「はァ~(クソデカ溜め息)無理ですね、無理」と言われてしまった。
そして数か月後にその店は閉店していた。
あの一件のときにはもうやめるつもりで、やる気ゼロだったんだろう。
そんな経験をしたせいか自家現像を始めるのに抵抗も不安もなかった。
他の店を探そうなんて気もさらさらなくなっていた。
ないのは予算だけ。
現像タンクだけはオークションで手に入れ、あと必要な道具はすべて100均アイテムで
代用することでスタートした。
でもそれで充分だった。